偏屈オヤジでごめんなさい

好きな新聞はデイリースポーツ。好きな騎手は江田照。好きな季節は春夏秋冬で言うと五月。偏屈オヤジでごめんなさい。自覚はあるんですが、いまさら偏屈はなおせません。

羽生竜王対藤井五段戦の個人的注目ポイント「伝説の5二銀」のような手が出るか?

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羽生竜王と藤井五段の公式戦初対局は今週の土曜日。
いよいよですね。

個人的に注目しているポイントは羽生竜王銀使い藤井五段桂使い

羽生竜王は、すべての駒の使い方が上手いのは言うまでもありませんが、何か一つ注目の駒を上げるとすれば「銀」。

NHK杯で加藤一二三九段相手に指した「伝説の5二銀」は有名ですよね。
ちょっと振り返ってみます。

ただ捨ての「▲5二銀打」
「伝説の5二銀」が飛び出したのは1998年度のNHK杯戦準々決勝。
羽生竜王が五段だったときに加藤一二三九段(ひふみん)相手に指したものです。

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羽生善治伝説の▲5二銀

直前に「▲3二と」と後手の金を取って王手した手に対し、△3二同玉とした局面で、持ち駒の銀を▲5二銀打(61手目)としました。飛車でも金でも取られてしまう位置に打った銀ですが、これが取れないんですね。

取ってしまうと、▲1四角から後手玉は詰んでしまうのです。すでに羽生五段が有利な局面だったのですが、こうした派手な手を指せるのが非凡なところ。

この手に対し、加藤九段は△4二玉と粘ったものの▲6一銀不成△2九歩成▲2八歩△3九と▲3二金(67手目)で投了となりました。加藤九段に勝利した羽生五段はこのままNHK杯戦で優勝しています。

ちなみに、加藤九段はこの手よりも▲4八玉(43手目)を評価しています。
攻められている側に玉を上がったことに才能を感じたとのこと。

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ひふみんが羽生の才能を感じた▲4八玉

藤井五段の4五桂(6五桂)ポン
一方の藤井聡太五段は桂馬を使った攻めが特徴的。非公式戦ながら羽生三冠との初対局でも4五桂ポンと呼ばれる指し方で先攻しています。

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藤井四段の4五桂ポン


また、後手番でも6五桂と序盤早々に跳ねていく手を何局か指しています。

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ただ、いずれも「伝説の▲5二銀」と呼ばれるほどではないですよね。それだけに、今度の羽生竜王との対局で、のちに「伝説の」と呼ばれる桂打ちを見てみたい。

伝説の▲5二銀がでたのは羽生竜王が五段のときです。
藤井四段から五段になって迎える羽生竜王戦。

なにか飛び出しそうな予感がします。