仕事をしていれば誰でも絶望的な状況に追い込まれることがありますよね。
- 納期まで時間がない。
- まったく予算がない。
- どこにも救いがない。
私もプロジェクトマネジメントの仕事をしていたとき、こうした状況に直面しました。
- やるべき手段はすべてやり尽くした。
- もう、どうすれば良いかわからない。
- というよりも、どうやってもダメだ。
地獄だ。
と思うことが、しばしばあります。
そんな時に、微かに見えた希望の光。
ただし、微かすぎる。
けれど、この「微か」に賭けるしかない!
という状況もまたあります。
そんな時に、その「微か」を活かすにはどうすればよいのか?
そんな視点で読めるのが芥川龍之介作の「蜘蛛の糸」です。
(以下、あらすじネタバレが含まれます。)
蜘蛛の糸のあらすじ
蜘蛛の糸の主人公は、地獄に落ちているカンダダという男。
数々の悪事を働いたカンダダも、生前にひとつだけ善いことをしていました。
このことを思い出した御釈迦様はカンダダを地獄から救い出してやろうとします。極楽から地獄に蜘蛛の糸を垂らす御釈迦様。
この糸を登ってゆけば、地獄から抜け出せると気づくカンダダ。地獄に光。
カンダダは登り始めます。
一すじの細い蜘蛛の糸を。
さて、カンダダは極楽まで登りきることができるのか?というのがあらすじです。
ネタバレさせてしまうと、蜘蛛の糸が途中で切れて、地獄に戻ってしまいます。
では、カンダダはどうすれば極楽まで登りきれたのか?と考えると興味深いです。
まったく可能性がなかったわけではありません。
カンダダも、途中までは順調に進んでいました。
けれども、最終的に極楽まで登りきれなかった。
これを「絶望の状況の中に見えた希望の光を活かす方法は?」を捉え直すこともできます。
パッと思いつくのは…
- 冷静に状況を見極める目を持つ。
- 目標達成までは余計なことは考えない。
- 極限下の状況の時ほど、正しい心を持つ。
ぐらいですが、このあたりをアレコレ考えるのが「蜘蛛の糸」の醍醐味です。