偏屈オヤジでごめんなさい

好きな新聞はデイリースポーツ。好きな騎手は江田照。好きな季節は春夏秋冬で言うと五月。偏屈オヤジでごめんなさい。自覚はあるんですが、いまさら偏屈はなおせません。

藤井四段が佐藤名人に勝利した対局のポイントを振り返ってみました

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藤井聡太四段が1月14日(日)に行われた朝日杯将棋オープン戦本戦で佐藤天彦名人に勝利しました。将棋の「オープン戦」はプロ野球の「オープン戦」とは意味が違い、朝日杯も公式戦のひとつです。

この日は藤井四段が澤田真吾六段に、佐藤名人が永瀬拓矢七段に勝ち上がっての対局。
ここで勝ったほうが準決勝で羽生善治竜王と対局することになる一戦です。

AbemaTVで生中継があったので見ていたのですが、佐藤天彦名人が「負けました」と投了を告げたときに、観客から歓声と拍手が沸き起こってましたね。ネットで見ているだけでも興奮が伝わってきました。

対局のポイントを素人なりに振り返ってみたいと思います。

藤井四段の先手で横歩取り
藤井四段の先手で戦型は横歩取りに。
横歩取りは序盤から一気に終盤になることも多く変化の激しい作戦です。

△6二玉(第1図)が佐藤名人の工夫。

第1図

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「ここで▲3六飛とするのでは面白くなかった」と藤井四段が感想戦で述べています。

第1図以下、▲3六飛△8四飛▲3八金△9四歩▲9六歩△7二銀▲4八銀△2四飛と進行。序盤はやや後手の主張が通ったというのが対局者の一致した見解でした。

この後、中盤で藤井四段がリードを奪い、そのまま終盤へ。
最後は佐藤玉を即詰みに討ち取りました。

佐藤名人「どこで悪くなったのかわからない」
対局後の感想で佐藤名人は「どこでハッキリ悪くしたのかがわからない」と言っていました。特にミスをしたわけではないけど、上手く指されてしまったということでしょう。

持ち時間の短い対局とはいえ、名人相手にすごいですね。

藤井四段の指し回しは攻め一辺倒というわけではなく、攻勢な局面でもしっかり自陣に手を入れるなどバランス感覚が優れているような気がします。感想戦で木村八段から聞かれていた、「角で飛車を取らずに、▲5四歩と桂を取った局面(第2図)」などに、その感覚があらわれていると思います。

第2図:108手目6五桂

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角取りに対し藤井四段は▲2四角と角を逃げながら飛車を取るのではなく、角を見捨てて▲5四歩と桂を取りました。
「飛車を取ると△2四同角で後手の角と桂が先手陣の急所をにらむことになるので」が藤井四段の見解。なるほど~。

 

つぎは、準決勝で羽生竜王との対局
楽しみですね。

羽生竜王も公式戦で藤井四段と対局するのを楽しみにしているのではないでしょうか。
それだけに真っ向勝負が期待できます。

気の早い話ですが、時の名人と竜王を破って棋戦優勝なれば、またスター性が増しますね。
見ているこちらまでドキドキ。

次の対局を見るのが楽しみで仕方ありません。